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rena's world story★a.n.r.r.y
第6章 繋がる心
「……お前なぁ」
エントランスまでのアプローチを進みながら、ベルトのキーチェーンから家の鍵を外す。
「毎回言ってっけど、女だけでこんな時間まで飲むなよ。
送迎があるからまだいいとしても…」
「ヒメさま~♪」
「………!」
自動ドアを抜けようとした、その手前で
後ろから突進してきた美和が、突然俺の背中に抱きついてきた。
・・・ヒメ “ 様 ” ?
「……おい」
「ヒメ、ただいま」
「………」
「ヒメもお帰りなさい♡」
……猫が喉を鳴らすように、頬を擦りつけてくる美和。
背伸びをしたその体の方へ、ゆっくりと振り返る。
「……機嫌いいな」
「だってイイ気持ちなんだもん」
「シラフでもずっとこの状態でいてくれねぇ?
色々ヤリ易いから…」
「下ネタ言うヒメ、嫌っ」
「………」
泥酔のくせにピンポイントで反応が早い。
正面で向きあうと、更に強くしがみついてきて
……俺と同じ色に染めた、その髪にそっと指をくぐらせると
俺の胸に顔を埋めたまま、美和がくすぐったそうに笑った。