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rena's world story★a.n.r.r.y
第6章 繋がる心
「……優香、お前…」
「お前って言わないで」
「………!」
「ほら、さっさと連れていきなさいよ」
見間違えだったんじゃねぇかと思うくらい、あっさりと表情を戻す優香。
軽く肩を揺らされた美和が……ゆっくりと目を開けた。
「……ん…」
「あなた、食事の途中から寝てたわよ」
「………」
「怪力の麗子に、後で御礼のメール入れなさいね」
淡々と話す優香の声も、ちゃんと聞こえていないようで
「……優香、さん」
呆けたままの美和は、優香を見てヘラッと笑った。
「すごく、すっごく楽しかったです♡」
「………!」
「優香さんも麗子さんも、お忙しいのに
付き合っていただいて……私、本当に嬉しいです」
「………」
「ありがと、ござました」
早口も、呂律が回ってない舌も酔ってる証拠。
ペコッと頭を下げる赤ら顔の美和を……優香はじっと見つめて
一瞬目を細めたけど、ふいっと顔を逸らした。
「……大好きな彼氏がそこにいるわよ」
「………!」
「悦ぶ方法、教えてあげたんだから
ちゃんと実践しなさいよね」
……実践?
美和の背中を押して、意味の分からねぇ台詞を残したまま
手を挙げた優香が、閉められた窓の向こうに消えた。