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rena's world story★a.n.r.r.y
第7章 祝福の日
.。.:* side 蓮 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*
─── 学生時代から鍛えて培った体力と
働いてから更に増した気力は、29歳の自分に充分身についているのに
……最後の招待客を見送って控室に戻った今、思わず深い溜息が漏れた。
披露宴の出席数は、総勢500人。
なんだかんだいって緊張していたせいで、最後の方はあまり覚えていない。
「蓮、入るわよ」
コンコンとノックが聞こえて、俺が答える前に扉が開く。
ソファに座った体を後ろに回すと、黒留袖の母親が入ってきた。
……手に携帯を持って、顔がニヤついている。
「見て、社長さんと私の2ショット。
式場の方に撮ってもらったの」
顔の前に突き出された画面には、両手でピースサインをするいい歳の大人が2人。
「凄いわ、年商○○兆円のお偉いさんとだなんて」
「………」
「残念ねぇ、奥様と今でも仲良しなんですって。
あ、これ部長さんと常務の……なんでしたっけお名前」
「……母さん、あのさ…」
「皆様怖いくらい威圧感あったけど
お体の調子が悪い時は、いつでも診察しますわ♡ってお名刺お渡ししてきたからね」