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rena's world story★a.n.r.r.y
第8章 集合
地上200mの高層階から眺める、宝石のような光の粒。
42階ダイニングバーの一面ガラスには
間近に聳え立つ東京タワーの輝きが、煌々と反射している。
二次会が始まった時は、その美しい夜景を余裕で楽しんでいたのに
……今の俺の目には
既に景色では無く、ぐちゃぐちゃに混ざり合った絵具のパレットのように見えていた。
「……水……」
メインテーブルに戻ろうとする自分の足が、フラついているのは自覚してる。
大学水泳部恒例、一気飲みを3回続けて成し遂げた俺は
なんとかそのむさ苦しい連中から抜け出そうと試みた……けど
「蓮~! 次はこっちよ!」
あと一歩で元のポジションに着こうとした俺の腕を、細い手がガシッと掴んだ。
……さっき飲みコールを連発した、ハスキーボイス。
げんなりして振り向くと、俺と同じ髪色の女が白い歯を見せる。
「ほらほら、グズグズしないで付いてきて!」
「……ヒカル、悪い。一旦1人にさせて」
「何言ってんのよ。皆待ってるっつーの!」
「分かってるけど、その前に水…」
「酒も水も同じでしょーが! ほら早くして!」