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第8章 集合

……しくじった。

浮かれていた体は、俺が思う以上に脆くなっていたらしい。


人数は多いけど、学生時代の仲間に気の置けない同期。

披露宴の時の固さが一切無い、このアットホームな空気に一瞬で身を委ねてしまった。


「っか～～、情けないわね！」


尚も戻ろうとする俺を見兼ねて、近くを通ったスタッフにヒカルがグラスを要求する。


「インターハイにも出た元水泳部エースだっていうのに。
トレーニングが足りないんじゃないの？」

「……俺がこの短時間で何杯飲んだと…」

「ねぇ、フルーツが入ったシュワシュワしたの飲んだ！？」

「……え？」

「あんなシャンパンまで飲み放題なんて凄いんだけど！
あたしもう３杯おかわりしちゃった！」

「………」

「さすが商社と航空の二次会。感動する！」


そう言ってはしゃぐヒカルの手には、既に違う色のワインが握られていた。