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rena's world story★a.n.r.r.y
第8章 集合
「ユーリさん素敵です!!」
周りの全員が渇いた視線を送る中、隣りの千夏ちゃんだけが瞳を輝かせる。
「あたしもユーリさんのかっこいい姿見たかったなぁ」
「ね、俺も見せたかった。
そしたらちーちゃん、更に惚れちゃったかもね~~」
「えぇ!? 更にですか!?
今でも大大大好きなのに…」
「よく言うぜ、震えてたくせに」
ユーリと千夏ちゃんのラブラブな会話を、俺の右側から低い声が遮った。
「………!」
そいつが煙草を持つ手と反対側で、2、3度指を動かして手招きすると
条件反射のように、陽菜が軽い足取りで俺から離れていく。
「スピーチの時間まで、乾杯の酒すら飲めねぇ程ガタガタしてたの誰だったっけ?」
「………!!」
「手の平に人の字を書く姿を見て、心底ガッカリしたね。
俺の惚れた男はこんなもんだったかと…」
「~~おい夏輝!!」
ゲラゲラ笑うヒメの隣りで、火を噴き出すようにユーリが立ち上がったけど
……しれっとした顔で煙草の煙を吐く、就職してまだ1年の男。
陽菜がぴったり身を寄せると、俺を見上げて勝ち誇ったように笑った。