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rena's world story★a.n.r.r.y
第8章 集合
「な? 蓮。
俺の言った通り面倒だろ?」
「………!」
「こいつら、この調子でずっと言い合いしてんだよ。
そのせいで他の奴らが戻ってこねぇ」
そう言ったヒメが、体ひとつぶん右側に移動したから
俺は笑いながらそのスペースに腰掛けた。
……夏輝が大学2年の夏に失踪するまでは
なんだかんだ言って、毎週のようにこの4人でつるんでいたけど
8年後の去年、学祭で再び集結したあの日以来
学生の時よりもその機会が増えたんだから……驚きを通り越して笑えてくる。
「二次会ではもっと弾けるのかと思ってたけど
ヒメにしては地味だな、その格好」
そんな俺の発言も、余裕の笑顔で流すヒメ。
……それもそのはず。
ピンストライプのブラックスーツの下は
光沢のある薄いグレイのシャツに、シルバーのシルクネクタイ。
同系色でまとめたシックなスタイルでも
ブルーラインの入った胸元のタイリングが、キラリと照明に反射し
耳や手首、指でさりげなく光るアクセ類が、究極なまでにこいつのセンスの良さを表わしている。
「……だろ?
今夜のメンズコーデ部門、俺のぶっちぎりだな」
心の声が聞こえたとでも言うように、ドヤ顔のヒメがグラスを呷った。