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第8章 集合

……戻る？ 下？
って、どこ？


「ヒメ、何言って…」

「ははっ、そんな悲痛な顔すんなよ」

「………！」

「相変わらず真面目だな、お前は」


いつもの嫌味口調で、俺を見て笑うヒメ。

グラスをテーブルに置くと、自分のネクタイを締め直した。


「役目が無いと思ってるのは蓮、お前だけじゃない。
男には誰にも言ってねぇからな」

「……え？」

「悪いが俺は泥酔してる場合じゃねぇの。
これから大役を務めなきゃいけないもんで」


……た、大役？

田中が二次会に来ていたという事実に引き続き、その意味が全く分からなくて

突然立ち上がったヒメを、ただ唖然として見つめてしまう。


……と、その時



「蓮、お待たせ～♡」



前方からハスキーボイスが飛んできて、視線を移すと



「花嫁様を連れて参りましたわよん♪」

「……！ ヒカル！」

「も～～こうして隣りに並ぶと悲しくなるくらい
本当に綺麗よねぇ♡」



豪快に笑うヒカルの腕に、手を添えて

青と紫の宝石を散りばめたような、ショート丈のビスチェドレスを着た瑠璃が

俺と目が合うと、嬉しそうに微笑んだ。