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第8章 集合

「瑠璃……瀬名は？」


迎えに行くといったあの男の姿が見えない。

近付いてくる彼女に、放心した頭を整理できずにそう聞くと

ヒカルと腕を組んだまま、瑠璃は楽しそうに目を細めた。


「実はね、私の友達に捕まっちゃって。
瀬名さん、今あの席でハーレム状態よ♡」

「………！」

「うんざりした顔していらしたけど。
CAの同期達も加わったから、彼身動き取れなくなっちゃって。
だからヒカルさんにエスコートしてもらったの」


クスクス笑う瑠璃の横で、ヒカルは信じられないといった感じで首を振る。


「あの人マジで蓮の同期？
あんたたち商社マンじゃないの？」

「……はは、俺も驚いたんだって」

「夏輝以上にシュールで、一瞬心臓止まりそうになったわ」

「あぁ、髪色半分ぶっ飛んでたろ？」

「うん。
美しすぎる、孤高のウルフって感じ」


ヒカルの例えで、俺と瑠璃が吹き出したから

２人が来たことに気付いたユーリ達が顔を上げて


「………！」


それと同時に

ヒカルから手を離した瑠璃が、１歩前に踏みだして

……ヒメの前に立った。