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第9章 message

「はい、次」


ギャーギャー騒ぐ中野を放置して、ヒメは黄色のカードに視線を戻した。


「 “ 最初のイメージは、硬派 ” 」

「………！」

「 “ 頭良いし、騒がないし、水泳命でストイックだし。
他の男子とは違った存在感で、私はちょっと近付けない感じだったな ” 」


誰誰？と、高校のグループが顔を見合わせる。

……私ってことは、女？


「 “ 蓮くん、常に男子と一緒だったから。
あれだけイケメンなのに女の子と遊ばないのか？
もしかしてゲイ！？ ” 」

「………！！」

「 “ 同じ名前のチャラ男と、どうしても比べてしまうから
当時はそんな疑惑を密かに抱いていました ”

……って、このチャラ男って俺じゃねぇか」


ヒメの溜息で、どっと笑いが起きた。

歯に衣着せぬ物言いをする当時のクラスメイトは、彼女しかいない。


「……田中、か」


そう呟いて視線を左に向けると

アンナだよ、と口を動かして、皆が俺に向けて次々と手を挙げた。

サバサバしている性格で、特に女子から絶大的な人気があった田中。

ここに本人はいないけど、今でも沢山の友人から慕われている。