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rena's world story★a.n.r.r.y
第9章 message
「 “ 蓮とヒメを中心に、毎日のようにつるんでいたみんなと
就職してから離れ離れになって……
社会に出てから初めて知る、辛さや苦しみも沢山味わった ” 」
「………」
「 “ 行き場の無い寂しさを感じて、泣いた日もあったよ。
……大学、時代が…… ” 」
「………!」
「……悪い。
“ 大学時代が、本当に楽しかったから ” 」
……そこまで読んだヒメが、言葉を詰まらせた。
「………っ」
照明が反射して、その瞳が揺れていて
……俺ももう、限界を超えていて
それでも、ヒメは声を絞り出すように続ける。
「 “ だから……あたしは今
蓮が思っている以上に、幸せを噛みしめているんだよ ” 」
「………!」
「 “ いつかきっと
またみんなが集まって、心から笑い合える日が来ますように
……卒業してから、ずっと夢見ていた……そんなあたしの願いを叶えてくれたから ” 」
「………っ」
「 “ 蓮とヒメが、叶えてくれたんだよ ” 」