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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
知ってますとでも言うように、アンナは満足そうに頷いて
ストールを羽織ると、私を見て微笑んだ。
「麗子さん主催ってことは秘密にしてたけど
今夜ここで美和と飲むことを、事前にヒメに言ってあったのよ」
「………!」
「美和、お酒飲んでなかったしもう少しここにいたら?
……そこの彼は既に泥酔してるみたいだけど♪」
そう言ってニヤニヤするアンナが、口元を押さえてヒメをチラ見する。
……確かに、お酒に強いヒメの顔が少し赤い。
顔だけじゃなくて、その目も……
「……うるせぇな。 さっさと帰れよ」
仏頂面のヒメが舌打ちをすると、アンナは目を細めて
私に笑顔で手を振って、入口に向かって歩いていった。
「………っ」
……どうしよう。
ドキドキが大きくなって、少し苦しい。
扉が閉まる音が聞こえて……ヒメと2人きりになる。
「……ヒ、メ」
震えちゃってるけど、なんとか声が出て
……ネクタイを緩めて、そのまま外したヒメを見つめると
「………!」
振り向いたヒメが、ふっと優しく微笑んだ。