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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
「……あ、りがとうございます」
「なんで敬語?」
「ありがとう、ございます」
「なんで2回?」
「………っ」
「おい、隠すな」
真っ赤になっているであろう顔を覆いたくて、両手を上げたけど
ニヤニヤする葵に止められて、手首をぎゅっと掴まれた。
……ねぇ、葵。
こんな至近距離で、そんなに見つめないで。
私はこんなキャラじゃないのよ。
高飛車で我儘で自己中な女なんだってば……
「……鏡が無いから、見えないけど」
「………!」
「どう? 綺麗? 似合う?」
正座した足を少し崩して、顔を傾けてピアスを揺らして
わざと気取った声で聞いてみる。
……付き合う前も葵と飲む度に、綺麗でしょ?って散々聞いてたな。
酔っ払いの痛い質問は、渇いた目で見られて毎回流されて終わってたけど
「………!」
つんと澄まして視線を外した私を引き寄せると
葵の右手が、私の顎をくいっと引き上げた。
「すっげー綺麗」
「………!!」
「似合い過ぎて悩殺されそう」
「~~~!!」
「つーか、された。
……食っていい?」