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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
……敗北。
昔から口喧嘩で勝てたことは一度も無い。
分かってるんだけど……
「つーか、この短い間にどれだけの想像力働かせてんだ」
「………」
「人がキスに夢中になってたっつーのに
勝手に進めんなよな」
揺れる私のピアスを触って、苦笑いを浮かべる葵。
……む、夢中だったんだ///
その台詞にキュンってきて、瞬く間に心の霧が晴れていく。
“ だから、それが早坂の勝手な妄想だっつってんの ”
……2ヶ月前
高架下の居酒屋で言い放たれた、ツーブロックの茶髪の呆れ顔を思い出した。
あの時もピシャリと制されたんだったわ。
「……相棒にも」
「あ?」
「姫宮さんにも同じこと言われたわ」
溜息をついた私を、葵が見上げてくる。
「勝手な妄想を膨らませて、無意味に暴走してるだけだろって。
まぁ、葵の経験値は事実だから妄想じゃないけどね」
「………」
「 “ 暴走 ” っていうのは、当たって……
……!」