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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産

* * *


「……味、薄くない?」

「薄くない」

「じゃあ逆に濃過ぎる?」

「全然」

「でも…」

「旨いよ」

「………」

「マジで旨いから」


さっきまでのドSはどこへやら
いつも通りの一定なテンションで、淡々と食事をする葵。
その様子をじっと見つめていたら、いいかげん食えよと促された。

……激し過ぎる情事によって
なんだか味覚まで狂ったんじゃないかと、そんな心配までしてしまう始末。

だけど、料理教室で磨いた腕には自信があるし
目の前でうまいって言って食べてくれてるし

とりあえず大丈夫みたいでホッと胸をなで下ろす。


「……買ってきてくれたワイン、あとで飲もうね」


ガラストップがお洒落な、2人用のダイニングテーブル。

……正式に籍を入れたら
こうして向かい合って食事をするのが、当たり前になるんだよね。

なんか、無性にくすぐったい気分。


「てゆーか、葵がショッピングを好きになってくれて嬉しいわ」

「別に嫌いだったわけじゃねぇけど」

「飲み以外の誘い、断ってばかりだったじゃない。
これからは一緒に付き合ってくれるわよね?」

「………」

「ピアスに似合う服も買わなきゃいけないし♪」


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