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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
明らかに面倒臭いって顔で、返事をしない葵だけど
これから私の夫になる男なら、妻の趣味を理解して慣れてもらわなきゃ困る。
って、私ってば既に夫呼ばわり。
どれだけ浮かれてるのかしら。
「ねぇ、早速だけど来週の土曜日空いてる?」
「……来週…」
「銀座でデートしない?
もう夏の新作が出始めてるし、色々物色したいの」
「………」
「それか前に行けなかった恵比寿の…」
ウキウキしてハイテンションの私。
……だけど
床に置かれたビジネスカバンに葵の視線が移動した瞬間に……ハッと我に返った。
~~私のバカ!
「ご、ごめん葵」
テーブルの上に箸を置いて、慌てて背筋を伸ばす。
こーいうところがダメなんだってば!
「忘れて、ごめん!」
「……え?」
「仕事入ってるんだよね?
忙しいのに暴走してごめんなさ…」
「いや、土曜は休み」
「……あ、そうなの?」
「あぁ、だけど……」
なぜか言葉を止めた葵が、同じく箸を置いた。
……ん? なに?
どうしたの?