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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
「……おい。
朝から溜息ばかりつく、そこの女」
「………」
「自分は優秀だと普段豪語しておきながら
定時が過ぎたこの時間になっても、ボーっとしたまま動かねぇ女」
「………」
夜8時。
節電の為に一部の照明が落ちた社内フロア。
分かりやすく不機嫌な声が、どこからか聞こえてきた。
あーでも分かる、そのイライラ。
どこにでもいるのよね。
仕事とプライベートを区別できず、ウジウジダラダラする残念な女って。
「何があったか知らねぇが、やるべき事やれっつーの」
そうそう。
あなたの身に何が起きたかなんて、周りの同僚からしたらどーでもいいわけで
仮に、辛くて悲しい出来事があったとしても
毅然として振舞うのが、組織に身を置く社会人の常識。
「……お前、いいかげんにしろよ」
「………!」
「この俺様を無視しやがって、いい根性してんじゃねぇか」
……さっきから暴言を吐き続ける、その声が
私の隣りのデスクから発せられている事に気付いて
私はのっそり顔を上げて……相棒を見上げた。
「姫宮さん、どうしたんですか?」
「………」
「さっきから一生懸命、誰に向けて説教して…」
「~~てめぇだ馬鹿野郎!!」