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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから

目の覚めるような怒号と共に、大きく振りかざされた姫宮さんの左手。


「痛っっ!!」


束になったA4用紙で、思いっきり頭を叩かれた。
スパーンッと気持ちのいい音がフロア中に……

~~って気持ちいいわけ無いし!
ぼ、暴力……っ


「~~ちょっと何するんですか…」

「こっちの台詞だ。
自分で見てみろそのボツ資料」

「……えっ?」

「優秀な俺が作った素晴らしい企画を
誤字脱字のオンパレードで汚しやがって」


実は手加減されていたらしく、叩かれた頭は痛くも何ともなかったけど
……VMD※の資料は、赤いチェックでびっしりと埋められている。

な、なにこれ……


「……信じられません」

「同感。ありえません」

「私が赤ペンで添削されるなんて……」


パソコンで起こしたゴシック体より、姫宮さんの手書きの文字の方が美しい。
……男なのに字が綺麗という、イケメンポイントの再発見に溜息をつく……その前に

これを清書したの……本当に私ですか……?



(※VisualMarchandising
 主に小売業やデザイン業界で使うマーケティング/視覚的演出効果のこと)


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