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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
……不覚にも、最後の一言でキュンとして
心の中に降り続ける雨が、少しだけ弱まった気がした。
“ 心配すんな。 お前、ちゃんといい女だから ”
佐伯さんの時も、そう言ってくれたんだっけ。
たった一言、誰でも言える普通の言葉なのに
姫宮さんが口にすると本当に安心出来るというか……スーッと入ってくるのはどうしてかな。
「……でも、ご令嬢っていうのは映画と同じですよね」
「………!」
「運命的な出逢いで、2人は恋に落ちるかも。
……100%無いとは言い切れないと思うんです」
……ほんと自分でも嫌になる。
どこまでウザくてジメジメした女なんだろう。
“ 他人から始まるのよ。
突然の出逢いで、でもそれは運命なの ”
……そう、いつか王子様が現れる。
葵にキスされて目覚めるまで、儚い夢を見ていたアラサーの私。
でも本気で叶うと信じていたの。
そこまで重症では無いだろうけど
葵のことを好きな社長令嬢の彼女も、きっと期待しているに違いない。
……若かったとしても、いくつ歳を重ねたとしても
根本にある女心は、誰でも同じなのだから……