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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
本日2度目の怒号で、ハッと我に返る。
ゆっくり首を右側に回すと
「……早坂、お前マジで大丈夫か?」
思いっきり引いてる姫宮さんが、腫れ物に触るような視線を向けてきた。
「ドライで愛想のねぇ、お高くとまってるお前のイメージが
2ヶ月前からガラガラ崩れていってんだけど」
「………」
「つーかその完璧病みレベルまで到達した妄想……
お前、彼氏死なせたいの?」
長い睫毛の下の瞳が、憐れみの色に変わった。
宥められるように肩を叩かれて、もう一度座るように促される。
「いいか、落ち着いてよく聞け」
……落ち着くどころか目が覚めて、穴があったら放りこんでほしい私に
隣りに並んで腰を下ろした姫宮さんが、諭すように語りかけてきた。
「脳内で繰り広げてる、そのラブロマンス超大作
俺の記憶だと、最後は沈没する悲劇で幕を閉じるけど」
「………」
「東京湾に氷山は無いし
お前の彼氏はアメリカの青年でも役者でもねぇから」
「………」
「……安心しろよ。
あいつが好きな女は早坂だけなんだ」