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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
「太陽のような明るさは無い代わりに
夜空に浮かぶ銀色の輝き……どこか神秘的な光に人々は惹かれ、魅了される」
「………!」
「自ら動かなくても、見返りを求めなくても
ターゲットが気付かねぇうちに、月灯りは心の奥にまで到達しちまってるんだ」
「………っ」
「それは毒という名の媚薬。
どんなに手強い相手も、次々とあいつの餌食となっていく……」
な、
な、
なんということなの……!!
交響曲第5番・第1楽章冒頭の効果音が派手に鳴り響いた。
……物語を朗読するような、姫宮さんの美しい声。
囁いてくるその語り手によって、私の脳内はまた妄想へと誘われてしまう……
~~っていやいや待て待て!
どんな仕事のスタイルよそれ!
「ちょっと姫宮さん!
いいかげんなこと言わないでくださいよ!」
「蓮の証言だからマジなんだけど」
「~~~!」
「辛うじて太陽の方が一歩リードしてるけど
ここ数ヶ月の追い上げで、年間成績は月に軍配が上がる見通しらしい」