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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
~~なんじゃそりゃ!!
だいたい31にもなるいい大人がなんちゅー会話をしてんのよ!
絶対酔ってたでしょその状況!
それに……
「本当に葵がそんな怪盗まがいな仕事をしてるなら……」
「~~ブッ、怪盗ってお前…」
「逆効果ですよ!
お嬢様がますます惚れちゃうじゃないですか!」
鮮やかな手口で彼女のハートを盗む、神出鬼没……
女海賊
上流階級のご令嬢
ご令嬢に恋するアメリカ青年
月に怪盗……
……だめだ、休憩。
頭がクラクラする。
さすがの私も、これ以上の妄想はキャパオーバーで疲れてきた。
「あの……そもそも何故そんな話を…」
「見てみてぇなと思って」
「………!」
「総合商社イケメンエリート、仕事の流儀。
実際にこの目で確かめる、願ってもねぇ機会が舞い降りたってわけだ」
「……は?」
「お前の話聞いてたら、いいこと思いついた」
……えっ!?
なんだって!?
理解が追いつかない私を見て、姫宮さんはニヤッと笑うと
取り出した携帯電話をスクロールした後、スタンドテーブルに置いた。
「………!」
……ハンズフリー設定で、休憩室に響く呼び出し音。
その画面に表示された相手の名は……
「もしもし、美和?」