この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第15章 考えたこともない
……金色の弓矢を持って、気まぐれに羽ばたくキューピッドより
両腕を伸ばして超音速飛行する、架空の変身ヒーローのほうがこいつのイメージに近い……
……って俺大丈夫か。
蘭の暴走妄想癖が移って、脳内が意味不明なことに……
「瀬名、喫煙所?
俺もコーヒー買いに行こうと思ってたんだ」
ウル○ラ戦士…じゃなかった成績No.1社員の蓮も、終電まで居残るらしい。
煙草とライターをスーツに入れて、俺はカバンを持ち上げた。
歩き始めようとした蓮を制止する。
「いいって。
一服ついでに買ってきてやるから」
「そう言ってくれるのを実は期待してた」
「チッ、いつも人を扱使いやがって。
あと3時間しかねぇんだから、さっさと……」
……ん?
「瀬名?」
「………」
「どうかした?」
デスクの上でカバンを開けたまま止まった俺を、蓮が覗きこんでくる。
……なんだこれ。
財布を取り出したカバンの底に、見慣れない何かが入っていて
その細長く平たい物体を取り出すと……