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rena's world story★a.n.r.r.y
第15章 考えたこともない
……って俺、何1人で真面目に語ってんの。
しかも蓮に。
「……良かったな、瀬名」
咳払いしてからコーヒーの残りを飲み干すと、隣りで蓮が満足そうに笑った。
「瀬名の幸せが更に深くなっていて、俺も嬉しいよ」
「……だから、そーいう台詞を素で言うのやめろ。
お前と仕事以外の話してると、本気で調子狂う」
「狂うんじゃなくて、それが本来の瀬名なんじゃない?」
「んなワケあるかボケ」
ゴミ箱に空き缶を放り投げて、蓮と共に休憩室を出る。
思いのほか時間食っちまった。
「蓮、お前は明日休み?」
「いや、急遽要請が掛かって。
上司の代わりに前乗りすることになった」
「あぁ、ジュネーヴか」
「戻るのは2週間後。
だから明日の “ 任務 ” の結果、メールで教えて」
「………!」
「すごく気になるから」
エレベーターのボタンを押して、絶対報告してと繰り返す蓮。
……マジで心配そうな顔しやがって。
ほんと俺のこと好きだな。