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第16章 ミッション終了

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地下鉄の階段を上って、A3出口を抜けて地上に出ると
都道413号線と青山通りがクロスする、大きな交差点が現れる。

待ち合わせで大勢の人が集まる歩道の端。
街路樹の下の花壇や手摺に座る、その人混みの前に私は立った。


「……午後２時、ぴったり」


あと５時間後に、港区の海岸から船が出港するというのに
相棒が指定したこの場所は、乗船場から約10キロ離れた表参道のド真ん中。


“ 総合商社イケメンエリート、仕事の流儀。
見てみてぇなと思って ”

“ あと５日もあるし、当日のプランは追って打ち合わせするってことで ”


「とか言ってたくせに、もう当日なんですけど」


ブツブツ文句を呟く私は相当怪しいけど
他人に関心の無い東京では、この独り言も渇いた空気の中に消えていく。


……聞かれたこと言えば、頭と服と靴のサイズだけ。


「……頭って……」


“ １番の理由は、面白そうだから ”

“ 変装していこうぜ ”


い、嫌な予感しかしないんですけど……！