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第16章 ミッション終了

今私達が居るこの場所は暗いけど、船までの入口は屋外照明に照らされて良く見える。

自慢じゃないけど、この歳にして裸眼で視力1.5もある私。
相手が葵なら、尚更見逃すわけがないんだけど……


「ど、どこですか！？ それらしき姿なんて全く…」

「……瀬名が居ねぇな」

「えっ！？」

「だけど今、チケットを取り出した女……あれが令嬢だろ」

「～～～！？」


～～なぜ！！
葵が居ないのになぜ分かるの！？

ていうかどの人！？
どれがお嬢様！？


「姫宮さん教えてください！ なんで令嬢って分かっ…」

「静かにしろ、バレるぞ」

「………っ」


慌てて両手で自分の口を塞いだけど、頭の中が軽くパニックを起こしている。


「あと姫宮って呼ぶな。それこそ見つかるだろ」

「……じゃあ、ジャックで…」

「キャプテンって付けろ、エリザベス」


……彼の設定は、ファンタジー・冒険映画の方だったらしい。
黒髪のジャックスパ○ウは一旦顔を柱の陰に戻すと、ポケットから携帯を取り出した。


「今朝、蓮からメールが入ってて。
令嬢の写真が添付してあったんだよ」

「～～～！！」

「いかにもお嬢様って感じで、生意気で我儘そうなツラしてる」