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rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了
……浮いてないよ、綺麗だよと直球で言われる方が絶対嬉しいのに
“ 心配するな ”
“ 何も問題ねぇよ ”
たったそれだけの変化球が、こんなにもド真ん中に入るのはどうしてだろう。
「……あ、ありがとうございます」
「寒くねぇのかって聞いてんだけど」
「寒くないです、今日夏みたいに暖かいし…」
「あっそ」
入口まで続く、両サイドに設置されたかがり火。
オレンジ色の炎が姫宮さんの横顔を照らして……その美しさに声を失ってしまった。
普段の雰囲気と違うからかな。
紳士という言葉がぴったりで、さっきから私の心臓は跳ねてばかりだ。
「あと15分、そろそろですかね…」
「待ち疲れた」
「……まだ5分しか経ってないですよ」
ストールをギュッと握りしめて
ドキドキしながら、柱の陰からこっそりと入口を伺っていると
「── あれじゃねぇかな」
腕を組んだまま、柱に背を付けて後ろ向きに見ていた姫宮さんが
低い声でそう言って目を細めた。
「………!!」
~~つ、ついに来た……
って、えっ!?
どこ!?