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第17章 いらねぇよ

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“ 御曹司だろうが何だろうが構わず潰す ”

“ 二度と手を出せねぇように
蘭を誘った事を後悔する程、徹底的にな ”


昨夜、ドン引きの蓮にそう言い放ったのは脅しでも冗談でもない。


本当の笑顔でいてほしいとか
相手に幸せになってほしいとか

それこそ蓮が真面目に言いそうな台詞があったとしても
あいにく俺はそんな清く美しい心なんて持ってねぇし

蘭を手に入れた瞬間から、相当強い独占欲が自分にあると知ったわけで
他の男と並ぶ姿を見たら、無条件で即消しにかかると思っていた。


─── だけど、その状況下に置かれた今

たった１人だけ例外がいることに気付いちまった。




“ 瀬名の立場を尊重して、潰したり阻止したりはしないけど
居ても立ってもいられないのは、愛してる証拠 ”


……蓮。
俺はアホじゃねぇから、お前のヒントによってこの事態を瞬時に理解できたけど



“ 船上で何が起きても、何かを目にしたとしても許してやれ ”

“ 考える前に、この言葉を思い出せ ”


「………」


フライト中のお前と、元凶であるお姫様に一言物申したい。


許すとか、考えるとか以前に


……まだ船上じゃねぇんだけど。