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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
……そう、分かってる。
瀬名さん同様に蓮の人望は厚いし、男女問わず友人も多い。
ある意味仕事、と蓮自身も言っていたように
普段は決してお目に掛かれない、雲の上の上層部の方々まで来る事になってしまった。
……なぜか、私の会社の本部の人達までも……
「そんな事で眠れねぇって、どんだけビビってんだよ」
2本目の煙草を取り出す瀬名さん。
無表情の彼とは対照的に、私の心は落ち着かない。
「いいじゃねぇか。祝儀ガッポリもらえるんだから」
「………」
「新婚旅行の足しにできてラッキーってくらい、楽観的でいろよ」
「……でも、不安で……」
「何が」
「……皆さんに引かれないかしら」
「は? 引く?」
「蓮の友達や、同僚の方に
あの女浮かれてるって思われたら……」
「………」
……チベットスナギツネのような目。
瀬名さんの乾いた視線が、私を容赦なく突き刺す。