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rena's world story★a.n.r.r.y
第18章 月灯りの下で
.。.:* side Ran *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*
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『葵、うちの父から伝言。
“ 葵さえ良ければ、早坂家の養子にならないか ” って』
『……はぁ? オッサン寝惚けてんの?』
『それが結構本気っぽいんだよね。
うちって4人姉妹だからさ、お父さん本当は男が欲しかったと思うんだ』
『何が悲しくて今更お前とキョウダイにならなきゃいけねぇんだよ』
『お母さんはね、今無理に家族にならなくてもいいって言ってる。
“ いずれは蘭と結婚して、婿として来ればいいんだから ” って…』
『やめろふざけんな。
てめぇみてぇな我儘女、誰が嫁になんてするか』
『~~あたしだってあんたみたいな遊び人お断りだし!
だけどお姉ちゃん達も……』
高校の卒業式を終えて、夕飯を食べ終わった直後。
平屋の縁側に座って、葵といつものように喧嘩口調で話をしていると
庭の前の道路に、黒塗りの高級車が停まった。
『ねぇ、また来たよ』
『……ほっとけ』
『でも手招きしてるよ』
『いいから目合わすな』
年々ひとつずつ増えていく、両耳のピアス。
月光で落ちた自分の影を見つめてから、葵は静かに目を閉じた。
『……赤の他人だから』
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