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rena's world story★a.n.r.r.y
第20章 おまけのSS① *★* ジャックのSOS
「豪華客船って聞いて、チャンスが来た~!って思ったの」
嬉しくて仕方ないといったように、美和は足をバタバタさせる。
「私、昨日嬉しくて眠れなかったの。
ずっと夢だったから」
「……夢?」
「夢だよ、女の子にとっては。
ずっと憧れてたシーンを再現したくても、滅多にできないでしょ」
「………」
……ラブロマンス超大作、名シーン。
百歩譲って憧れがあったとしても、実際にやろうとする奴なんていなくね?
映画を知らない奴が見たら、頭大丈夫かと思うだろうし
逆に知ってる奴が見たら尚更、バカップルが何やってんだと思うだろうし
「美和、悪ぃけど…」
「行こう! ヒメ!」
「いや、だから…」
「行こう!」
……その瞳が余りにも真剣だから、ドン引きですとは言えない。
だけど、そのオープンデッキの船首は
貴賓室のテラス席からバッチリと見下ろせる位置に……
「………」
普段、鬼MDとして相棒をパシリ扱いする俺が
数十分前、ドヤ顔で彼氏を送り届けた俺が
突然謎のパフォーマンスを繰り広げたりしたものなら……