この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
瀬名さんが蓮に耳打ちした、事の状況も背景も
私はなにひとつとして分からないけど
「……っ///」
……ゾクッと、刺激が背中に走る。
普段は見る事のできない、女の私は入っていけない
……第一線で仕事をする、戦士の姿。
「バカ息子の放出から、約1年半か」
「………!」
「今じゃ一族の消息さえ不明だというのに。
……興味も無いけど、意外ともったんだな」
言葉遣いも一変、低い声で呟いた蓮。
何かを思い出すように、窓の外に向けられた鋭いその視線……
何故か堪らなく色っぽくて、ドキドキが止まらない。
「制裁を裏で操った張本人が、興味無いとか言うんじゃねぇよ」
財布を取り出しながら、瀬名さんが皮肉そうに笑う。
「部長の命令で、既に根回しは始めた。
俺は社内の調整をするから蓮、お前は…」
「影響する取引先は、始めから抑えてあるよ。
瀬名、結局一番手が掛かるのは内部だぞ」
「あぁ分かってる。
血祭りにならねぇように、ご機嫌取りながら片付けてやるさ」
カードを持った手のひらを、ひらりと軽く翻すと
瀬名さんはお店の出口に向けて歩きだした。