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rena's world story★a.n.r.r.y
第2章 招待状と秋の風
.。.:* side ヒメ *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*
─── 風呂から出て、リビングに戻ると
ベランダに繋がる窓が開けっ放しになっていて
途中まで下がっているブラインドを、夜風が小さく揺らしていた。
「……秋、か」
独り言なんて滅多に吐かねぇ俺が、思わずそう呟く。
……つい昨日まで、連日うだるような暑さが続いている気がしていたけど
9月中旬となった今、季節の変わり目を告げるかのように
エアコンを付けていない室内でも、吹き抜ける風は涼しく感じられた。
「美和?」
部屋の外に出てるもんだと思い、スラットを上げてベランダを覗きこむ。
それとほぼ同時に
「………!」
後ろの寝室の方から、カタッと物音が聞こえてきた。