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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に

「……まぁ、分からないでもねぇけど」
キャンドルが揺れるテーブルに、コーヒーを置いて
彼は体の位置を戻して夜景を見つめた。
……え…? 分かる……?
「あんたの悩みの理由は知らねぇし、全く違うだろうけど
“ 足りない ” ってところは俺も同じ」
「………!」
「自分の力量を増やすのは、簡単じゃない。
……充分、理解してるんだけどな」
自嘲的に笑う彼を見て、トクンと胸が鳴る。
……この人に足りないところが、ある……?
そんなこと絶対に無いと思うんだけど……
「……あの」
私もコーヒーを置いて、彼の方へ体を向けた。
「もし……差支えなければ話していただけませんか?」
「………!」
「私でよければご相談に……」
~~~って私何言ってるの!
振り向いた彼とバチッと目が合って、サッと血の気が引いた。
また1人で暴走を……
「す、すすすみません!
相談に乗るだなんて、厚かましいですよね!」
「………」
「ごめんなさい私、図々しいのも程が…」
「ははっ」
「………!」
即座に頭を下げたその上で、彼の笑い声が響く。
「面白ぇ。さすが蓮の彼女」
「……っ」
「美人なCAだから、お高くとまってると思いきや
見た目と中身が全然違うのな」

