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好きにさせて
第4章 約束
茜が
少し驚いた顔で
俺を見上げると
俺はタクシーを止めるために
手を上げながら
茜を見つめた
「まだ一緒におりたい」
「・・・」
茜がその言葉に
戸惑ってる間に
一台のタクシーが目の前に止まり
ドアが開いた
「せやから
まだ帰さへん」
俺は
タクシーに先に乗るよう茜を促し
俺も同じタクシーに乗って
ドアが閉まると
「元町」
と、タクシーの運転手に
俺の住む町を伝えた
「元町?」
あぁ、せやった
茜には
住所嘘ついてるままやった
「心配せんでえぇ。
行き先は俺の部屋やから」
「心配してるわけじゃ・・」
「もうひとつ」
「え?」
「土産渡すだけや」
そう言うと
茜はクスッと笑い
久しぶりに
悪戯な顔をしたかと思うと
「なんだそれだけ?」
と言って微笑んだ
ほんまに・・・
昔から
俺のツボばっかり押しやがって
その上
押すだけ押して
放置して
お前を好きなんは
いっつも
俺ばっかりで
こんな大人になってまで
それが続くとは
思わへんかったわ