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好きにさせて
第6章 添い寝

「抱きしめて」とは言わず

「寂しい」と言う茜を

俺は何も言わずに
布団ごと一度抱きしめると

少し
俺の胸に
顔を埋めるような仕草をした茜が
どうしようもなく愛おしくて
たまらなくて

俺は

布団の中で
茜をしっかりと抱きしめなおした



俺はただの
逃げ場所でもええ

それでもええから
お前とこうしてたいんや



茜・・・


そう心の中で
名前を呼びながら
茜の髪に頬をすりよせると

茜も
俺をしっかりと
抱きしめた


ぁぁ・・


Tシャツ越しに感じる
茜の肌は柔らかく

手を滑らせる背中にある
すぐにでも
外せそうな下着に

俺は思わず吐息を漏らした


このまま茜を抱けたらええのに…


せめて…
キスくらい


俺はたまらず
頰を寄せてた茜の柔らかな髪に
唇を触れさせて
目を閉じた


好きや

どうしようもなく
好きや


けど

好きやとは言えん


言うたら多分


もうこんなことは
させてもらえんやろうし

茜は
この部屋にも
来んなるやろう



俺は
その歯痒さと
茜への
募る想いで

なかなか茜から
離れることが
できなかった




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