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孤城の中のお姫様
第1章 『今川遥(いまがわはるか)』〜都内私立有名女子高1年生〜
7人の家庭教師の先生がくる曜日日程は決まっている。

月曜日…英語の読解と文法
火曜日…理科、今年は化学
水曜日…数学
木曜日…現代文
金曜日…古典
土曜日…英会話
日曜日…地歴、今年は世界史

プラスで土曜日か日曜日に幼稚園から始めたピアノのレッスンが入った。でも高校生になったら、発表会に出なくてよくなった。両親が感覚を忘れないようにレッスンだけでよいと許可してくれたからだ。

この家庭教師カリキュラムの中で、私が唯一、息抜きできるのが、日曜日の世界史の時。

世界史を教えてくれるのは、T大大学院生で、大学院文学研究科博士課程前期1年生で近代ドイツ史を専攻している、大学を卒業したて、まだ22歳の川村隆先生。

他の先生方はベテラン家庭教師ばかりで、勉強に厳しいのは仕事としても、身嗜みや態度、言葉遣いまで厳しい先生ばかり。

敢えて言えば、英会話はオーストラリア人で、クイーンズイングリッシュを操れるただ一人の外国人家庭教師の先生は、英会話以外の場面は優しい。でも日本語は厳禁で、奥様が日本人で日本語はペラペラなのに、夕食の時ですら、私に英語を強要するから、やっぱり厳しいかな。
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