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孤城の中のお姫様
第3章 植松藍子(うえまつあいこ)〜東京私立S女子大2年生〜
私にとって気心しれた姉の清さんだったけれど、二人で恋を共有しようだなんて発想をする姉に驚愕した。
「でも清さん…、倉田先生のお気持ちは?倉田先生のお気持ちまでは、私たちだってどうすることもできないわ。」
「藍さん、それが、どうにかなるかもしれないの。」
「それって、清さん?どういうこと?」
「あのね、藍さん。私、この前、お父様と倉田先生がお家の応接間で、お話しているのを、たまたま先生がお忘れになった、電子辞書をお届けしようと思った時に聞いてしまったの。」
「清さん?お父様と倉田先生がどんなお話を?」
「それは、倉田先生は今年、修士論文の単位が取れたら、来年はご卒業なさって、大学にはお残りにならないそうなんだけれど、そうしたら、お父様の会社にご入社されるというお約束をなさっていたの。…倉田先生、たいへんお喜びだったわ。語学が活かせるお仕事をお探しになっていたみたいで。」
私は次第に、姉の清さんの話に引き込まれていった。
「でも清さん…、倉田先生のお気持ちは?倉田先生のお気持ちまでは、私たちだってどうすることもできないわ。」
「藍さん、それが、どうにかなるかもしれないの。」
「それって、清さん?どういうこと?」
「あのね、藍さん。私、この前、お父様と倉田先生がお家の応接間で、お話しているのを、たまたま先生がお忘れになった、電子辞書をお届けしようと思った時に聞いてしまったの。」
「清さん?お父様と倉田先生がどんなお話を?」
「それは、倉田先生は今年、修士論文の単位が取れたら、来年はご卒業なさって、大学にはお残りにならないそうなんだけれど、そうしたら、お父様の会社にご入社されるというお約束をなさっていたの。…倉田先生、たいへんお喜びだったわ。語学が活かせるお仕事をお探しになっていたみたいで。」
私は次第に、姉の清さんの話に引き込まれていった。