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それでも大好きなんだーっ!
第7章 多佳子さんとライトくん

「はー…空気がおいしいっ!」
埃臭い倉庫から外へと出たうさこは、深呼吸のあとで両手を挙げ、小さな身体を反らして大きく伸びをした。
学内一の悪女は ”未遂だったんだから謝らないわ” と、お付きのライトを連れて足早に去って行ったけれど…
ほんの一瞬だけ向けられた視線にはいつもの悪女の強さはなく、困惑したような涙目だった…ような気が、うさこにはしていた。
”きっと謝罪したくてもプライドが邪魔をして出来ないのだろう。ここは私が大人の心で許してやろう” と、うさこは1人コクコクと頷く。
そんなうさこの様子をくすりと笑った翼は、
「だから一緒にいるって言ったのに……何もなくて本当に良かった」
小さなその身体を包み込むように、後ろから抱き締めた。
「はい!私もです!」
「ん?」
返された元気な声に安心しつつ、その危機感のなさに翼は不安を覚える。
そんな翼の心配なんて微塵も感じ取ることなく、
「助けに来てくれた時のつーくんの、かなり焦った顔、バッチリ撮れました!」
ヘラッと笑ったうさこは、自慢げに携帯見せた。
「…………うさ」
「はい?」
「オシオキ、決定」
突然のオシオキ宣言に、ええっ⁉︎と驚きの声を上げたうさこを、翼は軽々と抱き上げる。
まるで、王子様がお姫様を抱えたような体勢に歓声を上げて喜ぶうさこ。
見下ろす翼の瞳からは怒りも呆れも消えて、何とも愛おしげに口元を緩ませていた。
埃臭い倉庫から外へと出たうさこは、深呼吸のあとで両手を挙げ、小さな身体を反らして大きく伸びをした。
学内一の悪女は ”未遂だったんだから謝らないわ” と、お付きのライトを連れて足早に去って行ったけれど…
ほんの一瞬だけ向けられた視線にはいつもの悪女の強さはなく、困惑したような涙目だった…ような気が、うさこにはしていた。
”きっと謝罪したくてもプライドが邪魔をして出来ないのだろう。ここは私が大人の心で許してやろう” と、うさこは1人コクコクと頷く。
そんなうさこの様子をくすりと笑った翼は、
「だから一緒にいるって言ったのに……何もなくて本当に良かった」
小さなその身体を包み込むように、後ろから抱き締めた。
「はい!私もです!」
「ん?」
返された元気な声に安心しつつ、その危機感のなさに翼は不安を覚える。
そんな翼の心配なんて微塵も感じ取ることなく、
「助けに来てくれた時のつーくんの、かなり焦った顔、バッチリ撮れました!」
ヘラッと笑ったうさこは、自慢げに携帯見せた。
「…………うさ」
「はい?」
「オシオキ、決定」
突然のオシオキ宣言に、ええっ⁉︎と驚きの声を上げたうさこを、翼は軽々と抱き上げる。
まるで、王子様がお姫様を抱えたような体勢に歓声を上げて喜ぶうさこ。
見下ろす翼の瞳からは怒りも呆れも消えて、何とも愛おしげに口元を緩ませていた。

