この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
それでも大好きなんだーっ!
第8章 うさこ☆コレクション
「……でも」

ふ…と顔を曇らせ、俯くうさこ。
携帯を持つその手はだらりと下げられる。

「どうかした?」

暗い顔をすることなどほとんどないうさこの急激な変化に、翼は少し慌てた様子でその哀しげな顔を覗き込んだ。


「……悩んでいるんです……」

うさこの口から出たとは思えない言葉に、翼は目を大きく見開く。

「悩んでるって……どんなことで? 俺に話せること?」

コクコクと頷いたうさこに少しホッとして、

「場所を変えようか」

すっかり頭を垂れてしまったうさこを優しく促しながら、2人はアパートへと戻った。



うさこの神妙な表情に、翼の心が落ち着かない。

うさこの小さな口から時折吐き出されるため息に、翼の心が掻き乱される。

いつも賑やかなうさこのおかげで明るい部屋の中が、今は静かで重苦しい。


「うさ」

意を決してその名を呼べば、

「つーくん…」

顔を上げたうさこの瞳があっという間に潤んでいく。

「うさこ。ごめん、うさが何を悩んでいるのか察してあげられなくて。……俺に、話してくれる?」

優しく掛けられた言葉に益々瞳を潤ませるうさこだが、コクリと小さく頷くと重い口を開く。


「私にはつーくんが初めての恋人なんです」

うん…と優しく頷く翼だが、うさこの口から語られる内容が想像出来ず不安が隠し切れない。

「変態と罵られてもいいような始まりなのに、つーくんは私を普通の女の子と変わらない扱いをしてくれて……不満なんてない。申し訳ないくらいです」

じゃあ何を悩むのか聞き掛けた翼だが、涙の揺れるうさこの瞳を見て聞き役に徹しようと口を噤んだ。


「でもダメなんです!」

「え?」

ドクン…
”ダメ” という言葉が、翼の心臓を悲痛に鳴かせる。


「普通の女の子の、普通の恋人の、普通の恋愛じゃダメなの」

「うさこ……」



「私は!もっともっともっともーっと!つーくんコレクションを増やしたいんです!」


/162ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ