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第4章 4

「はは……ごめんね……あやみちゃんの、良すぎて堪えられなかった……」
「ううん……私も、よかったよ……」

額面通り受け取れるほど純粋じゃない自分に少し嫌気が差す。
終わった後も海藤は髪を撫で、キスを落とし、二人でふざけあいながらシャワーを浴び、たっぷりと余韻を愉しませてくれた

前菜とデザートが素晴らしいレストランはきっと名店だ。

あやみは訳のわからない自己解決をし、治まらない飢餓を圧し殺していた。

「じゃあ……またね……」
「うん……おやすみなさい……」

駅前にも関わらず、海藤はチュッと啄むキスをしてくる。

「わっ……馬鹿……」

あやみは恥ずかしさで身が捩れてしまう。

『駅前でキスをするカップルは馬鹿』

あやみはずっとそう自分に言い聞かせてきた。
そして改めて実感する。
『駅前でキスをするカップルは馬鹿』であると。
しかしその馬鹿行為は、思いの外気持ちいいことも知った。