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第1章 1

しかし社内以外で相手を見つけるとなると容易ではない。

なにせ彼女の友達はみんな結婚して久しい。
友達のつてというのはもはや頼れない。

旦那の会社の同僚とか探せばいるだろうけど、学生時代の友達とはもう十年近くまともに会ってない人が多い。

既婚者ばかりだから会話も会わないし、なにより腫れ物に触るように扱われるのが辛いからlineとかも関わらないようにしていた。

『そんな私が新たに出会いを求めるとなれば……』

あやみはパソコンの前に座り、インターネットブラウザをクリックする。
便利な世の中はキーボードを叩けばすぐに自分が採るべき行動を教えてくれる。
「三十路、彼氏なし、結婚相手、出逢いっと……」
機械相手ならどんな惨めな内容も躊躇いなく相談できてしまう。

『お見合いパーティー』
その文字がディスプレイに映し出されたパソコンの回答だった。

「あーお見合いパーティーかぁ……」

その響きが重いんだか軽いんだかあやふやさを感じる。
お見合いという重さとパーティーという軽薄さ。

その存在を知りながらあやみが敢えて見て見ぬ振りを続けてきた存在だ。