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いつかは結婚できると思い込んでる私へ
第2章 2
「あはははは!!」

あやみは笑う。
たとえ白々しく空回りした笑い声だと自覚しても笑うしかなかった。
それを聞き、荏原も顔を上げる。

「やだな、荏原さん。なにも取って喰おうって訳じゃないんだから!!」

取って喰おうとしていたあやみは動揺を圧し殺して笑い流そうとする。

「伊豆倉さん……」

明らさまに安堵した表情を浮かべた荏原は肩の力を抜いた。

「一回エッチしたくらいで大袈裟なんだから。それよりオフィスでしたこと、絶対に内緒だからね?」
「はい。もちろんっ!!」

責任を取らされることを免れた彼は今日一番の元気で頷き、あやみは今日一番に心が悼んだ。

「これで少しは元気出た?」
「はい。すいません。ありがとうございます。伊豆倉さんって本当にいい人ですね」

『いい人』の前に『都合が』が付くけどね。
あやみは心の中でそう自虐し、微かに笑った。


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