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いつかは結婚できると思い込んでる私へ
第3章 3
翌朝、鏡の前で髪を整えていると一本の白髪を見付けてしまう。
二十代の頃白髪を見つけては「若白髪」などと呼んでいたが、三十五歳にもなると素直に白髪だと認めざるを得ない。
鏡に写る自分の顔を見て、老けたのかなぁとため息をついた。

思い出さないように心掛けていたが、頭には昨夜の荏原とのセックスが甦る。
まだ二十代の荏原の身体は若々しく、生命の力強さを感じさせた。
無気力で内向的な彼にそんな感想を覚えるとは、正直意外だった。
しかしそんな若さに焦がれたり、欲したりする気持ちはなかった。
むしろ逆だ。
若い人に自分の肌を見られたり、触れられたりするのは恐怖に近かった。
そういう意味ではお見合いパーティーで知り合った貝塚の方が同じ年代で、しかも少し年上で安心する。

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