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いつかは結婚できると思い込んでる私へ
第3章 3
職場では有能なあやみは重宝されるが、私生活では誰も必要としてくれない。
年上の既婚者の同僚達は三十五歳の彼女でも可愛がってくれる。
そんな現状を思うと職場で不倫してしまう人の気持ちも少し分かる気がした。
しかし彼女が目指しているのは結婚である。
出産手帳に記される丸高の烙印は甘んじて受け入れるにしても、私生児を産むつもりはない。
「あー……詰んでるかも……」
仕事終わりの帰り道、八方塞がりに思える我が身を愁いたあやみは若いカップルを遠目に見ながら呟いた。
当たり前のように恋をして、当たり前のように結婚して、当たり前のように子供が産まれる。それが当たり前だと思っていた。
しかしそれが自分にとって「当たり前」ではないということに気付かされたのは三十三歳を過ぎた時だった。
年上の既婚者の同僚達は三十五歳の彼女でも可愛がってくれる。
そんな現状を思うと職場で不倫してしまう人の気持ちも少し分かる気がした。
しかし彼女が目指しているのは結婚である。
出産手帳に記される丸高の烙印は甘んじて受け入れるにしても、私生児を産むつもりはない。
「あー……詰んでるかも……」
仕事終わりの帰り道、八方塞がりに思える我が身を愁いたあやみは若いカップルを遠目に見ながら呟いた。
当たり前のように恋をして、当たり前のように結婚して、当たり前のように子供が産まれる。それが当たり前だと思っていた。
しかしそれが自分にとって「当たり前」ではないということに気付かされたのは三十三歳を過ぎた時だった。