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いつかは結婚できると思い込んでる私へ
第3章 3
相変わらず汗でべたついた身体を洗い流すこともなく、慌ただしくホテルを出た。

「まあ、待ってよ、あやみちゃん」
「触らないで」

肩に置かれた手を払い、睨み付ける。

「じゃあさ、三年経ってまだ好きだったらしちゃう? 結婚」
「馬鹿でしょ、貝塚さん。なんで私が三年もの月日をあなたに費やさなくちゃいけないわけ?」
「そんなに結婚を意識しすぎると意外と遠退くものだよ? まずは付き合ってみるか、程度の気持ちも大切だから」

朗らかに笑える神経が信じがたかったが、その言葉には一理あると感じてしまう。

「それはまあ……そうかもしれないけど……」
「結婚を前提に付き合うなんて気負いせず、普通に付き合ってみようよ」

自信を持って言い切られ、根が流されやすく、誰かに依存してしまう性格の彼女はあやふやに頷いてしまう。

あやみの婚カツは結婚という目的から遠く離れて進んでしまっていた。
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