この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
sunset~君の光になりたい
第2章 出会いの衝撃
全神経がメロディーに反応しているようだった。とてつもない心地良さが身体中を包み、今朝からの緊張や憂鬱をすっかり忘れ、サウンドに、涼やかなボーカルに心を奪われた。
聴いたばかりのメロディーを口ずさみながらステップを踏み、くるりとターンした次の瞬間――
「きゃっ……」
何か大きくてゴツゴツしたものに衝突する。
しばらく動けず、目も開けれずにいた。
何が起こったのか、分からない。
「……あっぶねえなあ……何フラフラ歩いてんだ!」
低い声が頭上で聞こえた。
ぶつかった物体は、人だったらしい。
「す、すみません……」
恐る恐る瞼を開けて顔を上げる。 二つの大きくて鋭く澄んだ瞳が彼女を捉えていた。大きな掌が、千波を抱えるように包んでいる。