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sunset~君の光になりたい
第15章 恋の駆け引き?

「でたっthunder武彦!」
「だから、レスラーみたいな呼び方やめんかって」
前髪を掻きあげて笑う仕草が意外にチャーミングだ。里沙は不覚にもドキりとしてしまう。
「何故ここにっ!?」
武彦の腕を引っ張り、楽屋の前まで行き小声で話す。
「……なん?」
演奏の音で聞こえないのだろうか。
耳に手を添えて、内緒話のポーズをする。
里沙は彼の耳に唇を近付け、気持ち大きめに話す。
「明日新潟ライブなんじゃないですか!?何故、今日わざわざここに!?」
「お――っデカイ声で……なんや、耳にチューしてくんるかと思ったわ」
前髪の間から覗く目で見詰められ、ドギマギする。
「ばっ!何言ってんですか!……そういえばあなた!この間あんな事言っといて、やっといて!なのに、あれから何も連絡もして来ないて、どういう了見ですかっ!」
武彦は一瞬目を細め、里沙を壁側に押しやると、両腕で壁に手を付け見おろした。
里沙は軽く睨んで、腕の下をすり抜けようとしたが素早く大きな腕に捕まえられてしまった。

