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sunset~君の光になりたい
第15章 恋の駆け引き?

「色紙、人数分あるかな?」
「うん。確認するね」
千波は色紙の数が足りているか数え、里沙はスピーカーを用意し、ライブ後のアナウンスの台本をざっと見返す。
最近ではすっかり里沙のアナウンスが評判になってしまっている。今までは思いのままに言いたい事を話していたが、ここまで反響を呼んでしまった為、台本を毎回作っているのだ。
(まだ、十分くらいあるから台本を頭に入れよう)
里沙が楽屋へ向かおうとした時、腕をいきなり誰かが掴んだ。
(仄かに香るブルガリ……まさか)
振り返ると、前髪が重い長身のバンドマン、thunderの武彦が、口元だけ微かに歪ませてそこに居た。

