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sunset~君の光になりたい
第15章 恋の駆け引き?
里沙は、身体が熱くなったり一気に冷や汗をかくような思いを一辺に味わったような気がした。
「もう――!脅かさないで下さい!」
「ゴメンゴメン。だってライバルがあのOVEREARTHのタケヒコ様だから、色んな手で攻めなきゃ勝てないしな」
屈託無く笑う武彦に、里沙は思わずクスリと笑った。
「もう……変な人!」
会場の方から拍手が聞こえてくる。
ライブが終わったようだ。
「行かなきゃ」
里沙が台本を手にステージの方を振り返ると、武彦が思い出した様に言う。
「あ、そうや。もう少ししたらヒロもこっちへ来るで」
「はっ?ヒロさんが?」
ヒロをまだ良いイメージで捉えられない。
千波が彼に惹かれているのは知っているし、応援したい気持ちもあるが、つい頭の中でヒロを悪者に変換してしまう。
「何しに来るのよ」
「そりゃ千波ちゃんに会いにやろ。
あと、Decemberの大森君とも仲がいいからな」
「ふうん……」
里沙は台本を弄びながら、少し考えて、武彦に訊ねる。
「で?武彦さんは……何しにここへ?」
「里沙さんに逢いたかったから」
さらりと言われて頬がかーっと熱くなった。